ズバリ「平成最後のグミ」という。
定められた時代の切れ目、という国民の誰もが初めて経験する節目を前に、それがとうとうグミにまで波及してきたのをコンビニで見かけたのは先日の話だ。
パッケージは、ただシンプルに『平成』のみの文字。
そう、あの小渕恵三氏が掲げたアレのデザインである。
商品名は「平成最後のグミ」。
開けるまで、いや開けてしばらくするまで意味が分からなかった。
そして今も意味が分からない。
一つまみするとオレンジのグミ。何やらモチーフが描かれている、と思った。
もう一つ。やっぱり何が描かれているか分からない。
『平』の字に気付いたのはしばらくしてからだった。
井桁状の『#』、ちょっと潰れているが『最』『後』も確認できる。
そうか、一文字一文字を繋げて『#平成最後のグミ』が出来上がるのか。
『平平平平』だってできるぞ。
まあそんなフォトジェニックなこと、私はやり慣れていないので、平成の次の時代に取り組めればいいか。
しかしファミリーマートはなぜ「平成」という大コンテンツをグミに託したのだろうか。
一部では、グミとかけて”平成を噛み締める”というコンセプトだと主張されている。
残り少なくなった袋から、グミを取り出しながら考えていると、ふとソーダ味しか出てこないことに気付いた。
中を見るとソーダ味しかない。
私はこの手のバランス感覚は自負しているので、偏りなくグミを食べる自信がある。
つまりどういうことか。
平成の終わり、気付かされるのはバランスの崩壊。
そう、平成は格差の時代であった。
袋の中の仄暗い青に、そんなメッセージを感じる。
いや、そんな社会的なわけあるか。グミは普通に美味しかったです。
きょうは「サンキューグミの日」だそうで、『#平成最後のグミ』にもサンキュー。
平成にもサンキュー。時代は暮れゆくぜ。