一球一球に魂を込めて、高校生活を賭したドラマを見せてくれる
そんな高校野球が幕を下ろしてもう一か月は経つだろうか。
時代錯誤と言われようと、全力投球は気持ちの良いものだ。
思えば行動の一つ一つに全力を注ぐ行為など、大人になってからした記憶がない。
UHA味覚糖『コロロ』。
私がそんな堕落した自分の人生を恥じたのは、このグミを食したからだ。
開封して私は逡巡した。
グミを食べる習慣がついて初めてのことだ。
そこに入っている物体は、どう見ても果物だったから。
おかしい。グミを買ったはずなのに。
ブレーキが利く人間の賢さに驚きつつ、一粒取り出す。
やっぱり果物だ。いや、そうでなくとも何かオブラートに包んであるような繊細な食品かもしれない。
オブラートならまあ食べられなくもないので、口にしてみる。
やっぱり果物だ。・・・いや、かすかにグミを感じる!
一般的なグミは、果汁を用いていてもやはりその見た目に限度があり、だからこそグミなのであるが、結果として菓子に他ならない外見をしている。
ところが『コロロ』はどうだろう。
私が買ったマスカットのパッケージを開けると、そのままマスカットが入っている(ように見える)のだ。
ギリギリまで果物。そう、全力投球で果物然としているグミなのである。
裏面にも<究極の一粒>の文言。
そう、一粒一粒に全力を込めたグミである。
冒頭の高校野球、近年は時代の声もあって”やりすぎ”にブレーキを掛ける風潮がある。
しかし、私はその”やりすぎ”にこそ日本特有の<美学>が宿ると信じている。
グミの全力もまた、私という日本人の目に、舌に、美しく映るのである。
コロロは美しいグミだ。
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