予期せぬ副産物を生み出すから、錯覚というのは非常に厄介だ。
日々の軋轢。日本史に残る昭和金融恐慌も勘違いから発生した。
思い違いのフィルターは、なんてことない物事をとんでもないものに化けさせる。
まあ結局虚構なんだけど。
トレーダージョーズ ペンギングミ。
アメリカのスーパーマーケットの商品だそうだ。
twitter.com画像は借用のものですが、これ食べました。
— uniuni(グミライター) (@unluni1) May 13, 2019
暇だったら記事書こうと思います。#日本グミ協会 pic.twitter.com/rJh1TEUfm0
このブログでいう『海外謎グミ』にカテゴライズされる。
近頃グミは芸術品なのではないかと思うことが多いが、これも例に漏れずペンギンのモチーフに、表情まで薄っすら読み取れる作りをしている。
チャックの無いごわついた素材を使ったアメリカンなパッケージを開けると、そんなキュート極まりないペンギンたちがお目見えする。
彼らは腹に一物を据えていた。
いちご・チェリー・ライムの美味しい一物を。
大昔に流行ったスケルトンボディみたいなもんだ。
ペンギンのお腹部分が透けて見えるのである。
齧った途端にグミから弾けるゼリー。
海外特有の濃ゆい味であるが、それがまたたまらない。
・・・しかしなんだろうこの違和感は。
ハチノコを食したことはあるだろうか。
私はない。
けれどもプリッとした食感に、中から出てくるナニカ。
うーん。
しばらく逡巡する私に、一つの結論が舞い降りてきた。
「これは錯覚だ」
そう、中にゼリーが入っているグミはたくさんある。
しかしそのどれもが、如何にもグミな見た目をしていた。
これはどうか。ペンギンという愛くるしいキャラクター。
丁寧に記された表情と対面すると、私の中にペンギンを思う気持ちが芽生えたのである。
こいつが思い違いの根源。
なんてことないグミに虚構の罪悪感を生み出した原因だ。
錯覚というのは本当に恐ろしい。
結局、きちんと食べてやることが供養だと思って平らげた。
(勘違いしっぱなしじゃん)
いずれにしてもトレーダージョーズ ペンギングミ。
これはおいしいグミであることは確か。
これだけは勘違いでもなんでもないことをここに主張する。