<裂けたところでよォ>
そう思っていた。
長方形に薄いシート状のグミが、まさしく真っ二つに裂けているパッケージは
店舗内でグミのコーナーに陳列されていると少し違和感を感じさせる。
実際に買って開けてみると、その違和感はさらに強くなる。
目の前のペラッペラな物体が、あろうことかグミなのである。
<グミが裂けたところでよォ>
保守的な私はそう思っていた。
しかし、グミを両手につまみ、袋を開ける要領で一気に分断させる。その一裂きは大変にスムーズだ。
するとどうだろう。グミを裂くという歴史的な初体験に、私の心は高鳴っていた。
二つに裂いてしまったが、次は三つにしよう。
その次はグミに刻まれた溝に従って、”一本一本”食べてみよう。
”裂かない”という選択肢もある。そのまま口に放り込む。
その、「グミをいかにしてやろうか」という工夫の思考は、食べれば食べるほど研ぎ澄まされていった。
誰しもが小さい頃に触ったことがあるレゴブロックは、「知育玩具」と呼ばれる。
手と頭を使う行為は知育とされ、乳幼児の思考的発育に大きな手助けとなる。
『さけるグミ』はこれに該当する。間違いない。
思えば”元祖さける系”の『さけるチーズ』は、子どものおやつにおすすめされる場合もある。
これが「知育玩具」以外だとしたらなんだと言うのだ。
<裂けたところでよォ>
童心を忘れていた私自身を強く恥じた。
- 価格: 918 円
- 楽天で詳細を見る