氷菓子は例外なく夏の風物詩である。
ガリガリ君、白くま、数多のアイスクリームだってそうだ。
ハーゲンダッツを挙げる上級国民の方も追い返しはしない。
なかでもスイカバーは誰しもが必ず口にしたことのある氷菓であり、
夏の風景が本当に良く似合う一品だ。
小さい頃に覚えた、通常のスイカでは食べられない『種』の部分が
チョコレートだったときの感動を今でも忘れない。
そんなことを思い出したのは、あろうことかそのスイカバーが
グミになって私の前に現れたからである。
ロッテ『スイカバーグミ』。
パッケージのカラーリングだけでその関連商品と分かるのは、
販売を開始した1986年以来スイカバーが築き上げた
ブランドイメージの賜物だろう。
コンビニで素通り寸前だった私の視界の端に、あの赤と緑が飛び込んできた。
早速購入して、いざ開封。
あ、スイカバーだ。
よく知っている香りがふんわりと鼻の奥をくすぐる。
中を覗くとグミも本家を模したデザイン。
赤い三角形がその忠実度を物語っている。
どうでもいいが「赤い三角形」って70年代のフォークグループっぽいね。
ではその本気を受け取り、本家よろしく”棒”の部分を握っていただくとしよう。
そこまで硬くはないが、しっかりとグミの感触がする。
そして何より、風味がスイカバーそのもの。
不思議な感覚だ。
スイカバーが溶けた雫が再び固形物になり、
それを味わっているような感覚。
そう、この商品は<まるでスイカバー>というより
<スイカバーそのもの>なのである。
外側についているパウダーが、
スイカバーの味にちょっとしたグミらしい酸味を利かせる。
残念なのは、あの『種』がないこと。
ただ、ここにチョコレート味を足すとガチャガチャしてしまうので
バランスを選ぶならこれが正しい。
というかスイカ味にチョコレートをマッチさせた本家がすごい、と今更に思う。
そこで思い出すのが、<相方>のメロンバー。
ざっと調べたが、メロンバーグミはまだ商品化されていない模様。残念。
いずれにせよ、氷菓子をグミにする、という試みは面白い。
どちらも見た目に透明感があって、夏を感じる。
とても蒸し暑い今日は、
サザンオールスターズでも聞きながら残りのグミを味わうことにする。